今回は小松崎喜美子さんが代表を務めるSweets Pleaseの第3回講習会に参加してきました。
第3回講習会では、前回の講習会の講師である「ロートンヌ」の神田シェフからの紹介で、
東京都日本橋の「マンダリン オリエンタル東京」の五十嵐宏シェフが講師として招かれました。実際にホテルで提供されている多数のメニューの中から、生菓子を1種類と焼き菓子を2種類ご紹介いただきました。
ホワイトチョコレートにピスタチオをブレンドしたムースに、フランボワーズのジュレとジャンドーヤ
を組み合わせた繊細な仕上がりの「ブロンテ」。香ばしいヘーゼルナッツのダッコワーズを、
ミルクチョコレートベースのジャンドーヤでサンドした「ディンゴ」。米粉を配合したビスキーに、しっかりとカラメル色にソテーしたリンゴをトッピングした「ショコラ・ポンム」。
どのお菓子も五十嵐シェフが今までの経験を活かして、作り上げたこだわりの作品です。
最後に、いくつものコンクールで賞を受賞した、五十嵐シェフの飴細工を披露していただきました。
五十嵐シェフは超一流ホテルのシェフ・パティシエという役職のため、あまり講習会を担当する機会が多くないそうです。今回の講習会では、シェフは常に参加者への気配りを忘れず、講義の進め方も丁寧で、
質疑応答も誰にでも分かりやすく説明していただきました。まるでホテルで接客を受けているような、
非常に気持ちの良い講習会となりました。
また、五十嵐シェフは、今回紹介したレシピは数あるレシピの中の一つにすぎないということを強調して
いました。一つのレシピにこだわりすぎると、様々な可能性を否定するというジレンマに陥る可能性があると指摘しています。
季節によって食材は微妙に品質が異なります。また、求める食感や風味の違いにより、使用する素材や配合、製法の組み合わせは様々なものになります。
一つのレシピをベースに、食材の吟味や技法を自分なりにアレンジすることにより、お菓子作りの新たな可能性を知ることになるし、お菓子作りの楽しさをさらに理解することにも繋がると指導していただきました。
お客様をもてなす場の「ホテル」で活躍する五十嵐シェフは、講習会でも常にお客様を楽しませることに細心の注意を払い、最高のお菓子を披露してくださいました。真に日本洋菓子業界のトップレベルのパティシエであることが実感できた講習会でした。
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