TFOODS.COM 材料にこだわる人とプロの為の洋菓子材料通販サイト

SOSAテクスチャーシリーズ講習会
2015年夏より日本マーケット向けの新商品が発売されたSOSAテクスチャーシリーズ。この新発売を記念して、スペインよりSOSAテクニカルアドバイザーのギエーム・コラール氏を招いて、『SOSA商品提案会2015』と題した技術講習会が開催されました。

講習会はコース料理をイメージしたプログラムで進められ、前菜2品、魚料理1品、肉料理1品、デザート1品の合計5品のデモンストレーションを披露。どちらの作品にもSOSAテクスチャーシリーズが随所に使用されておりますので、SOSA製品と合わせてデモンストレーションされた作品を紹介していきます。

開 催 日 2015年6月26日(金)
講 師 ギエーム・コラール氏
(SOSAテクニカルアドバイザー)
主 催 サンエイト貿易株式会社
とうふに出汁と温かい白みその泡を添えて
1作品目は、『とうふに出汁と温かい白みその泡を添えて』。こちらの作品は、日本の味噌汁をアレンジして作られたスープ状の前菜で、昆布と鰹節から抽出した出汁と、白味噌の泡の2層で構成されています。

出汁は、キサンタンガムを主原料とした増粘剤『SOSAジェルエスペッサ』でとろみを加えています。とろみを付けることで、液体とは異なる独特の食感を演出。さらに具材の豆腐をスープの中にランダムに浮かばせる事が可能になります。ポイントは、ジェルエスペッサを混ぜ合わせる時に発生した気泡を抜く為、前日に仕込んで一晩寝かせること。これにより、気泡による白濁が落ち着き、スープ本来の色味に仕上がります。厨房に真空調理器がある場合は、そちらを使用しても気泡が抜くことが出来るそうです。

白味噌の泡には、温製エスプーマ用の安定剤『SOSAプロエスプーマHOT』を使用。白味噌、醤油、水を70℃まで加熱してから、ハンドブレンダーでプロエスプーマHOTを良く混ぜ合わせてアパレイユを作ります。出来たアパレイユは、エスプーマサイフォンに入れ、提供するまで60℃程度の湯煎で温めておきます。

二つのパーツが出来たところで、カクテルグラスの中にモンタージュしていきます。ジェルエスペッサでとろみを付けた出汁に5mm程度にカットした豆腐を綺麗に浮かべ、その上に白味噌のエスプーマを流します。仕上げとして刻んだチャイブを散らして作品は完成となります。
出汁はジェルエスペッサでとろみを付けます。一晩休ませて気泡を抜くとスープ本来の色味に仕上がります。
一晩休ませた出汁は豆腐を入れたカクテルグラスに注ぎます。出汁にはとろみがあるので豆腐が液中に浮かびます。
出汁の上には白味噌のエスプーマを絞ります。プロエスプーマHOTを添加して泡の状態を安定させています。
最後に刻んだチャイブを散らして完成。日本人には馴染み深い味噌汁が、SOSAの力で新しい料理に仕上がりました。
試食用の作品。スプーンを使用せずに直接口を付けて飲むことで、出汁と味噌が口の中で混ざり合い、一体化した味わいに。
マグロのタルタルを包んだキュウリのカネロニ、キュウリのクランチーサラダとポン酢のパール、胡麻のクラッカーを添えて
2作品目は、『マグロのタルタルを包んだキュウリのカネロニ、キュウリのクランチーサラダとポン酢のパール、胡麻のクラッカーを添えて』。こちらの作品は、マグロのダイスをキュウリのゼリーでカネロニ状に巻き込んだものをメインに、ポン酢のパール(粒状ゼリー)や胡麻のクラッカーなどを添えた前菜です。

マグロのダイスを包むキュウリのゼリーは、『SOSAベジタブルゼラチン』で固めます。弾力性としなやかさを合わせ持つベジタブルゼラチンのゲル化を活用して、シート状に固めてからマグロをカネロニ状に包み込みます。

イクラやキュウリのダイスと共に、カネロニの上に乗せられているポン酢のパールには、新しく発売された『SOSAアガーアガー』を使用。アガーアガーは、寒天を主原料に作られたゲル化剤で、粘り気のない固く脆いゲル化と、100℃以下になると固まり始めるという特性を持つ製品。ポン酢のパールは、この高い温度から固まるアガーアガーの特性と、水を弾く油の特性を活用して作ります。
作り方は、ポン酢とアガーアガーを混ぜ合わせ沸騰させた溶液を、スポイトや注射器を使用して良く冷やした油の中に一粒一粒落としていくというもの。落とされたポン酢は、油に弾かれて球体になると同時に、冷却されて固まるという仕組みです。

カネロニの左右に配置された胡麻のクラッカーには『SOSAマルトセック』を使用します。通常、マルトセックを使用する際は油脂分との組み合わせをイメージしますが、こちらのクラッカーではマルトセックに水を合わせるという手法を用います。
作り方は、まずマルトセック、水、胡麻を全て混ぜ合わせます。マルトセックは非常に水に溶けやすいので、すぐに溶けてなくなりますが、溶けた際にねっとりとしたシロップ状になる為、この質感を胡麻の粒の『つなぎ』として活用。胡麻と良く絡めてからオーブンペーパーの上に広げて、めん棒で1mm程度の厚さに伸ばします。薄く伸ばした胡麻は、使用するサイズにカットし、最後に100℃程度のオーブンで乾燥焼きして水分を飛ばし、クラッカー状に仕上げています。
こちらはマルトセック、水、胡麻を混ぜ合わせたもの。水に溶けたマルトセックの粘りを利用することで、生地状にまとまります。
めん棒を使って平らに伸ばすとシート状になります。粘りが強いので油を塗った2枚のベーキングシートに挟んでから伸ばします。
伸ばしたものを乾燥焼きした胡麻のクラッカーがこちら。マルトセックが胡麻のつなぎになり、クラッカー状に仕上がります。
ポン酢のパールは冷たい油に溶液を一粒一粒落として作ります。アガーアガーと油の特性をうまく利用した調理法。
完成したポン酢のパール。溶液のベースを他の液体に変えれば、様々なバリエーションに応用が出来ます。
マグロのダイスをカネロニ状に包むキュウリのゼリーは、バットに流して薄く固めます。
ベジタブルゼラチンのゲル化の特性をうまく活用。スフェリフィケーション以外にもこのような使い方が出来ます。
モンタージュの様子。SOSAテクスチャーシリーズの機能を活用すれば、このような料理も簡単に作ることが可能になります。
赤エビのショーフォワ、チャイブとジンジャーのジュレ、ココナッツとレモングラスのマヨネーズ、“海水”の泡を添えて
3作品目は、魚料理『赤エビのショーフォワ、チャイブとジンジャーのジュレ、ココナッツとレモングラスのマヨネーズ、"海水"の泡を添えて』。

作品のメインとなる赤エビのショーフォワは、エビの頭と殻から取ったストックを新商品のゲル化剤『SOSAカッパ』で固めてコーティングしています。カッパは、カッパタイプのカラギーナン100%のゲル化剤で、透明で粘性がなく弾力のあるゲル化が特徴。今回のようにコーティングに使用する際は、溶液の温度を50〜55℃にするときれいに仕上げることが出来るので、温度を測りながら作業を行います。

エビに添えられているフォーム(泡)は、こちらも新商品の『SOSAシュクロエミュル』を使用します。作り方は、ショーフォワと同じエビのストックにシュクロエミュルを加え、ハンドブレンダーで攪拌するというシンプルなもの。作ったフォームは、30分程度状態が持続しますので、提供する直前に盛り付ければ、食べ終わるまで十分に泡の状態を保持することが可能です。

さらに、フォームと共に添えられている白いクリーム状のものは、『SOSAナチュルエミュル』を使用して作られたココナッツとレモングラスのマヨネーズになります。こちらのナチュルエミュルもこの度新しく発売された商品で、水分と油脂分をマヨネーズのようなクリーミーかつ滑らかな状態に乳化させることが出来ます。乳化させたものは、まさにマヨネーズの口当たり。もちろん卵黄を使用する必要が無いので、素材そのものの味に仕上がります。

皿の上に薄く広げられている緑色のペーストは、チャイブとジンジャーのジュレ。こちらはチャイブ、生姜、水をハンドブレンダーにかけてから裏漉したものに『SOSAジェルクレムCOLD』を加えて仕上げています。ジェルクレムCOLDは、素材をクリームのような状態に仕上げることが出来る増粘剤。非加熱で使用できるので素材の風味を損なわず、作業性にも優れた製品です。
フォーム(泡)を作る様子。液体とシュクロエミュルを混ぜ合わせてハンドブレンダーで攪拌するだけなので非常にお手軽。
完成したフォーム。時間経過に伴い徐々に気泡は壊れていきますが、30分程度は泡の状態が持続します。
カッパを使用した溶液で赤エビをコーティング。きれいな状態に仕上げる為、温度を測りながら作業を行います。
ジェルクレムCOLDを使用したチャイブとジンジャーのジュレ。クリーム状に仕上がるので、皿に模様を描くことが可能。
こちらはココナッツとレモングラスのマヨネーズ。卵黄不使用とは思えないクリーミーで滑らかな口当たりには驚かされました。
モンタージュの最後にはフォームを盛り付けます。視覚的に楽しい想像力をかき立てられる作品に仕上がりました。
チキンと醤油のパルフェを包んだ天つゆのエッグスフレ、イベリコハムを入れた枝豆とほうれん草のシチュー、クランチーハム
4作品目は、肉料理『チキンと醤油のパルフェを包んだ天つゆのエッグスフレ、イベリコハムを入れた枝豆とほうれん草のシチュー、クランチーハム』。

皿の中央に乗っているエッグスフレは、『SOSAアルブミナ』を使用して作った天つゆのメレンゲを茶巾包みにして蒸し焼きにしたもの。センターにはチキンレバー、タマネギ、醤油、牛乳などをハンドブレンダーにかけてから裏漉して固めたパルフェが入っており、上に飾られているのはペースト状にしたイベリコ豚を油で揚げたクランチーと生ハムです。

センターのパルフェは、それぞれ新商品の『SOSAプロパンナコッタ(イオタ)』と『SOSAゴマガロフィ』を併用して固めています。プロパンナコッタは、イオタタイプのカラギーナン100%のゲル化剤で、乳製品などに含まれるカルシウムやタンパク質に反応して固まるので、このパルフェのように牛乳を使用したものには適しています。食感はその名前からもイメージ出来るように、パンナコッタのようなやや粘りのある仕上がりになります。ゴマガロフィは、カロブビーンガム100%の増粘剤。本国スペインでは、単体で使用するよりも、今回のレシピのように他のゲル化剤と併用して、仕上がりの状態をコントロールする目的で使われる機会が多いそうです。

エッグスフレの下に配置されているのが、枝豆とほうれん草のシチュー。ジェルエスペッサでとろみを付けたほうれん草のピューレに、茹でた枝豆とイベリコハムのチップを浮かべて、シチューのようなイメージに仕上げています。
アルブミナの機能を利用すれば天つゆもこのようなメレンゲに。製菓のみならず、料理へも活用出来る素材です。
天つゆのメレンゲはセンターにパルフェを入れてからラップで茶巾包みにして、90℃のオーブンで20分程度蒸し焼き。
蒸し焼きにしたスフレをカットしたもの。センターにチキンと醤油のパルフェが入っているのが確認出来ます。
こちらはスフレの中に入れたチキンと醤油のパルフェ。新商品のプロパンナコッタとゴマガロフィを併用して固めています。
スフレの上に飾り付けるクランチーは、ペースト状にしたイベリコ豚に葛粉を混ぜ合わせたものを油で揚げて作ります。
ほうれん草のピューレに枝豆とイベリコハムのチップを合わせてシチューに見立てています。鮮やかな色調が目を引きます。
ピスタチオセミソルベ、ココナッツとライムの泡、バナナクリスピー、抹茶のスポンジケーキ
デモンストレーション最後の一品は、皿盛りデザート『ピスタチオセミソルベ、ココナッツとライムの泡、バナナクリスピー、抹茶のスポンジケーキ』。

作品のメインパーツは、共立て法で作った抹茶ケーキの上にピスタチオのソルベを絞ったもの。ソルベには『SOSAプロクレマCOLD』と新商品『SOSAグリセリン』を組み合わせて使用しています。プロクレマCOLDは、氷菓用の安定剤。乳や卵を配合しないソルベ生地でも、アイスクリームのような滑らかでリッチな質感に仕上げることが可能になります。一方のグリセリンは、植物性グリセリン100%の液状乳化剤。こちらを氷菓に使用した場合、仕上がりの凍結点を下げる効果があるので、滑らかな質感と共に仕上がり後の作業性の向上が期待でき、今回のように固めたソルベやアイスクリームを絞ったり、クネルにするような場合に最適な素材といえます。

メインパーツに添えられているココナッツとライムの泡は、ココナッツピューレとライム果汁に『SOSAプロエスプーマCOLD』を混ぜ合わせて、エスプーマサイフォンで絞り出しています。プロエスプーマCOLDは、冷製エスプーマ用の安定剤で、提供温度が35℃以下の素材に使用します。1作品目で使用したプロエスプーマHOTは、提供温度が35〜70℃になりますので、使用する素材の温度帯を考慮して使い分ける必要があります。

エスプーマの上には、焼き目を付けたココナッツスライスと共に『SOSAバナナクリスピー』を散らしています。この商品を含めたSOSAクリスピーシリーズは、フルーツなどをフリーズドライ加工でカリカリした食感に仕上げたトッピング素材です。吸湿を防ぐ為、カカオバターでコーティングしているウェットプルーフタイプもありますので、使用用途に合わせてお選び頂けます。
ピスタチオのセミソルベは棒状に絞って使用します。プロクレマCOLDとグリセリンの効果により凍結していながらも作業しやすい状態。
抹茶のスポンジケーキの上に乗せた後は両端をカットして形を整えます。ソルベの淡い色とスポンジの濃い色のコントラストが美しい。
ソルベの横にはココナッツとライムのエスプーマを絞ります。作品にトロピカルな風味をプラス。
トッピングに使われているクリスピーは、バナナ以外にもストロベリーやパイナップルなど数種類ラインナップがあります。
ギエーム・コラール氏 (SOSAテクニカルアドバイザー)
スペイン・バルセロナの五つ星ホテル「アーツ」や二つ星レストラン「ラサルテ」などで修業後、SOSAテクニカルアドバイザーに就任。現在は、欧米やアジア各国でデモンストレーションを行いながら、SOSA社製品の魅力を世界中に広めています。
SOSAについて
1967年、スペイン・カタルーニャ地方に設立されたSOSA社は、アルチザンビスケットやアイスクリームの原材料メーカーとして事業をスタート。2000年よりガストロノミーやペストリー向けの原材料ビジネスに参入し、現在では同社の新機能素材が世界各地で使用されている。
⇒ SOSA社取扱い商品一覧

【過去のSOSA講習会】
SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2010
SOSA DEMONSTRATION in Tokyo 2011 "Summer Cocktail"
SOSAアシェットデセール講習会2012
SOSAデモンストレーション2013
SOSAテクスチャーシリーズ講習会2014
 
過去に開催された、講習会や教室の一覧ページ