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SOSAテクニカルアドバイザー、ギレム・コラール氏によるSOSA技術講習会2015冬
2015年夏より新たに8つの新商品が加わり、今まで以上に幅広い調理方法を料理・製菓業界に提案する「SOSAテクスチャーシリーズ」の技術講習会が、今年の6月に引き続き開催されました。

今回も前回と同じくSOSA本国のスペインよりテクニカルアドバイザーのギエーム・コラール氏を講師に迎え、コース料理をイメージした前菜2品、魚料理1品、肉料理1品、デザート1品の合計5品のプログラムでデモンストレーションを披露して頂きました。

「SOSA社製品を使用することでどんな料理の表現ができるか感じてほしい」というギエーム氏の挨拶から講習会はスタート。一皿の料理の中で様々な表現を可能にするSOSAテクスチャーシリーズの魅力を改めて感じさせてくれる講習会となりました。

開 催 日 2015年11月19日(木)
講 師 ギエーム・コラール氏
(SOSAテクニカルアドバイザー)
主 催 サンエイト貿易株式会社
温かい海老の泡、青リンゴと海老のタラマ 〜クリスピーバジルビスキュイと醤油のパールを添えて〜
1品目は『温かい海老の泡、青りんごと海老のタラマ 〜クリスピーバジルビスキュイと醤油のパールを添えて〜』。カクテルグラスを使用したヴェリーヌ仕立ての前菜で、SOSAテクスチャーシリーズを使用して海老のストックを2種類の異なる料理に仕上げています。

グラス下のジュレ部分は、海老のストックのクラッシュゼリーに、ボイルした海老のスライスと青リンゴのダイスを混ぜ合わせたもの。クラッシュゼリーの凝固剤には『SOSAカッパ』を使用しています。ギエーム氏の解説によると、カッパ特有の透明度と弾力のあるゲル化を活用することで、モザイクの様にきれいなクラッシュゼリーに仕上がるという理由からカッパを選択しているそうです。

グラス上部は、ジュレ部分と同じ海老のストックを使用した温製のエスプーマ。塩で味を調えた海老のストックと生クリームに、安定剤として『SOSAプロエスプーマHOT』を加えてサイフォンに充填し、湯煎で温めてからジュレの上に絞り出します。ポイントはアパレイユの温度を70℃程度まで上げてからプロエスプーマHOTを混ぜ合わせることと、絞り出す時の温度を50〜65℃の温度帯で使用すること。この2点に注意することで、パフォーマンスの優れた泡に仕上がるとギエーム氏は解説します。

エスプーマの上には醤油のパールとダイス状にカットしたバジルのビスキュイをトッピング。醤油のパールは、6月のデモンストレーションで披露されたポン酢のパールと同様に、良く冷やした油の中に『SOSAアガーアガー』を加えた醤油の溶液を一粒一粒落として作ります。

バジルのビスキュイは、バジルから抽出した液体に『SOSAナチュルエミュル』とオリーブオイルを混ぜ合わせてマヨネーズ状にしたもの、全卵、グラニュー糖、粉類を混ぜ合わせてオーブンで焼成し、一度冷凍してから低温のオーブンで乾燥焼きして作ります。リキッド状のバジル液とオリーブオイルが大量に入る為、生地状に仕上がりづらいレシピですが、ナチュルエミュルの強力な乳化力を利用してリキッド状の素材をマヨネーズ状にすることで、焼成後の生地が沈みにくくなり、ふんわりと焼き上がります。
温製のエスプーマはプロエスプーマHOTを混ぜ合わせて泡の状態を安定させています。
バジルのビスキュイの仕込み風景。ナチュルエミュルの乳化力でバジル液とオリーブオイルをマヨネーズ状に。
焼成後のバジルのビスキュイ。ふんわりとした生地に焼き上がっています。
アガーアガーを使用した醤油のパール。アガーアガーのゲル化特性と油の特性をうまく利用した調理法。
グラス下部には海老のストックのクラッシュゼリー、海老、青リンゴダイスを混ぜ合わせたもの敷き詰めます。
その上には使用直前まで湯煎で加熱した海老のストックの温製エスプーマを絞ります。
仕上げとして醤油のパールとダイス状にカットしたバジルのビスキュイをトッピング。
同じ海老のストックを使用して温度帯・食感の異なる料理に仕上げた前菜です。
グリーンピースとミントのムース 〜ベーコンクリーミーポテトとチキンコンソメを添えて〜
2品目は『グリーンピースとミントのムース 〜ベーコンクリーミーポテトとチキンコンソメを添えて〜』。コンソメスープの上に、グリーンピースとミントの風味に仕上げたムースと、団子状のベーコンクリーミーポテトを浮かべた一皿です。

グリーンピースとミントのムースは、名称こそ「ムース」と名付けられていますが、その実態は冷凍耐性のある「スフレ」になります。まずミントの葉から抽出した液体に『SOSAアルブミナ』『SOSAジェルエスペッサ』、『SOSAゴマガロフィ』を混ぜ合わせ、ミキサーにかけてミントのメレンゲを作成。次に別のボールで、グリーンピースから抽出した液体、卵黄、『SOSAジェルクレムHOT』を混ぜ合わせます。そしてこのふたつを混ぜ合わせたものを天板に広げ、ラップをかけてからスチームオーブンで蒸し焼きにして完成です。提供時は食べやすいサイズにカットしてから皿に盛り付けます。

このレシピで使われているメレンゲは、通常のメレンゲと異なり一切砂糖が入りません。その為、ジェルエスペッサの増粘効果を用いてメレンゲの気泡を安定させています。また一緒に添加されているゴマガロフィは、焼成後に冷解凍した際の離水を軽減する目的で配合しています。メレンゲと合わせるアパレイユにはジェルクレムHOTが使用されていますが、これはゴマガロフィと同じく生地に冷凍耐性を持たせる為に小麦粉の代用として配合しています。さらにジェルクレムHOTは、特殊加工されたコーンスターチなので、グルテンの形成を防止する役割にもなります。

ベーコンクリーミーポテトは、団子状にしたジャガイモの葛餅の中にベーコンをカスタード状に炊き上げたフィリングを詰め、パウダー状に粉砕したベーコンの衣を付けてフライパンで焼いたもの。フィリングとなるベーコンのカスタードには、『SOSAジェルクレムHOT』を使用。ジェルクレムHOTを配合したカスタードは、コーンスターチに比べてクリーミーな食感になるので、口溶けの良いフィリングに仕上がります。

ムースとポテトの下に添えられているコンソメスープは、『SOSAジェルエスペッサ』でとろみを加えています。ジェルエスペッサは、温度やpHに影響を受けず、ハンドブレンダーで手軽にとろみが付けられるので、料理に適した大変便利な増粘剤です。
ミントから抽出した液体をアルブミナ、ジェルエスペッサ、ゴマガロフィで砂糖不使用のメレンゲに。
このメレンゲにグリーンピースから抽出した液体、卵黄、ジェルクレムHOTを混ぜ合わせてスチームオーブンで蒸し焼きに。
焼成後のグリーンピースとミントのムース。スポンジのようなふわふわした食感がおもしろい一品。
ベーコンクリーミーポテトのベースはピューレ状にしたジャガイモに葛粉を加えて餅状に炊き上て作ります。
こちらはベーコンクリーミーポテトのフィリングとなるベーコンのカスタード。
団子状にしたジャガイモの葛餅の中にベーコンのカスタードを絞り入れます。
ベーコンのカスタードを入れた後はベーコンの衣を付けてフライパンで香ばしく焼き上げます。
全てのパーツが揃った所でモンタージュ。ムースとポテトの異なる食感が楽しめる一皿。
バタークラフトをまとったスズキ 〜フェンネルのヴェルミセル、わさびとバジルのジュレ、ビーツの泡を添えて〜
3品目は『バタークラフトをまとったスズキ 〜フェンネルのヴェルミセル、わさびとバジルのジュレ、ビーツの泡を添えて〜』。ソテーしたスズキをメインに、SOSAテクスチャーシリーズを活用したパーツが添えられている魚料理です。

メインとなるスズキの皮目に付けられているのは、『SOSAマルトセック』を使用したバタークラスト。このバタークラストは、パン粉、バター、マルトセックに水を加え、生地状になるまで捏ね上げてから薄く伸ばして作ります。6月のデモンストレーションで披露された胡麻のクラッカーと同じく、「マルトセック+水」という調理法を用いた生地です。

フェンネルのヴェルミセルには『SOSAジェランガム』を使用。非常に固くゲル化するジェランガムの特性を利用して、フェンネルの香りを抽出した液体を一度ブロック状に固めてからグレーターにかけて麺状に加工しています。更にジェランガムでゲル化させたゼリーは耐熱性を持つ特性があるので、提供時にはジェルエスペッサでとろみを付けたフュメドポワソンと絡めて火にかけてから皿に盛り付けます。

ビーツの泡は、『SOSAフリーズドライ・ビーツパウダー』(日本未発売)、『SOSAシュクロエミュル』、水を混ぜ合わせたものをハンドブレンダーで攪拌して泡立てます。泡立てた直後は気泡が粗く不安定なので、少し時間を置いて大きな気泡が消えてから使用するとキレイな泡に仕上がります。

スズキの皮目に付けられているバタークラストの上には、わさびとバジルから抽出した液体を『SOSAジェルクレムCOLD』でクリーム状にしたものを絞ります。こちらもジェルエスペッサと同様にハンドブレンダーで混ぜ合わせるだけで、素材を簡単にクリームのような状態に仕上げることが出来る大変優れた増粘剤です。
マルトセックを使用したバタークラスト。「マルトセック+水」という調理法を用いた生地です。
バタークラストは薄く伸ばしてから冷蔵庫で休ませ、スズキの大きさに合わせてカット。
こちらはわさびとバジルから抽出した液体をジェルクレムCOLDでクリーム状にしたもの。
ビーツの泡はビーツパウダー、シュクロエミュル、水を合わせてブレンダーで攪拌。鮮やかなピンク色。
ヴェルミセルにはジェランガムを使用。一度ブロック状に固めてからグレーターにかけて麺状に。
ジェランガムで固めたゼリーは耐熱性があるので、このように火にかけることが可能になります。
ビーツの泡やヴェルミセルなどSOSAテクスチャーシリーズの効果を巧みに活用した魚料理です。
ソフト&クリスピーポークリブ
4品目は『ソフト&クリスピーポークリブ 〜アーモンドロワイヤルと赤ワインで煮詰めたプラムのソース、ドライプルーン仕立てを添えて〜』。

メインとなるソフト&クリスピーポークリブは、塩コショウしたリブを2時間程度柔らかくなるまで煮込み、一度冷やしてからオーブンでローストすることで、表面はカリッとクリスピーに、中は柔らかくジューシーに仕上げています。盛り付けの際にはトンカツソースと絡めてから提供。トンカツソースはアジアの味が感じられるということで、ギエーム氏お気に入りの素材になるそうです。

ポークリブの隣にはドライプルーンのようなものが添えられていますが、こちらはSOSAの講習会では何度も登場している『SOSAベジタブルゼラチン』を使用したスフェリフィケーション(膜状のゼリーの中にソースを閉じ込めたもの)を応用したもの。作り方は非常にシンプルで、通常の手順で作ったスフェリフィケーションを砂糖の中に埋め込み、数時間置いてスフェリフィケーション内の水分を抜くだけです。浸透圧を利用した調理法なので、作り方を聞けば十分理解できますが、スフェリフィケーションに用いるという発想はSOSAテクニカルアドバイザーならではといえるでしょう。

今回はドライプルーン仕立てなので、中身は赤ワインとプルーンをピューレ状にしたもの、コーティング膜の溶液には赤ワインを使用していますが、中身やコーティング膜に違う素材を使用することで他のドライフルーツなどに見立てたスフェリフィケーションを作ることも可能です。

皿の中央に配置されている細長い波状のものはアーモンドロワイヤル。牛乳、水、アーモンドペースト、『SOSAプロパンナコッタ』、『SOSAゴマガロフィ』をハンドブレンダーで混ぜ合わせてから鍋で火にかけ、沸騰させて作ります。プロパンナコッタは、乳製品などに含まれるカルシウムと合わさると粘性のあるゲル化を形成するので、本作品の様に波状にして皿の上に配置するなど、動きのあるパーツを作ることが可能です。
ドライプルーン仕立ては、まず通常の手順でスフェリフィケーションを作ります。
出来たスフェリフィケーションを砂糖の中に数時間埋め込み、球体内の水分を抜き取ります。
完成したドライプルーン仕立て。中身のソースや膜に使用する素材を変えれば違った見せ方が可能です。
皿の中央にはプロパンナコッタとゴマガロフィを使用したアーモンドロワイヤルを波状に配置。
その上にはドライプルーン仕立てとポークリブを乗せます。ポークリブにはトンカツソースが絡めてあります。
仕上げとしてローストした松の実とベビースピナッチを飾り付け作品の完成。
セサミ&チョコレート“マグナム” 〜柑橘の香りを添えて〜
最後の5作品目は『セサミ&チョコレート"マグナム" 〜柑橘の香りを添えて〜』。チョコレートコーティングされたバー付きのソルベをメインに、オレンジ風味のチョコクリームやダイス状のゼリーなどが添えられています。作品名に付けられている「マグナム」という名称は、日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパではスタンダードなアイスの商品名で、その形に似ていることから作品名に取り入れたそうです。

本作品メインのソルベは、白ゴマペーストと胡麻油の風味を効かせています。一般的なソルベに比べて非常に油脂分が多い配合なので、そのまま作っただけでは固く締まったソルベに仕上がる為、『SOSAプロクレマCOLD』『SOSAグリセリン』を加えてソルベの質感をコントロールします。プロクレマCOLDは氷菓用の安定剤で、今回のレシピのように卵や乳を含まない配合でも、アイスクリームのような滑らかな質感に仕上げることが可能です。またグリセリンは氷菓の凍結点を下げる効果があるので、油脂分が多く冷凍下で固くなりがちな配合でも柔らかな口当たりに仕上がります。完成したソルベはチョコレートでコーティングを行い、トッピングとして『SOSAライムクリスピー』が振り掛けられています。

ソルベを立て掛ける様に皿の上に配置されているのはオレンジ風味のチョコクリーム。ガナッシュのようにオレンジジュースとチョコレートを乳化させて作りますが、このレシピの配合ではオレンジジュースとチョコレートがほぼ同じ割合なので、保形性を持たせる為に少量のカカオバターで溶かした『SOSAワックスコンセプト』を加えて絞れる固さのクリーム状に仕上げています。

ソルベとクリームに添えられている淡いオレンジ色のダイスは、オレンジジュースのホイップゼリー。オレンジジュースとシロップを混ぜ合わせたものを『SOSAインスタントジェル』で一度冷やし固め、固まったものをミキサーで3倍程度の量になるまで高速に泡立て作ります。炭酸のようにシュワシュワと口の中に消えていく面白い口当たりのゼリーです。
クネルにしたソルベ。プロクレマCOLDとグリセリンを加えてソルベの状態をコントロールしています。
オレンジジュースのホイップゼリーはインスタントジェルで固めたゼリーをミキサーで3倍程度まで泡立てて作成。
泡立てたホイップゼリーは冷凍してからダイス状にカット。シュワシュワした面白い口当たりのゼリーです。
オレンジ風味のチョコクリームはカカオバターで溶かしたワックスコンセプトを加えてクリーム状に。
皿の上に絞っているのはオレンジ風味のチョコクリーム。しっかりとクリーム状に仕上がっています。
チョコレートでコーティングしたソルベやトッピングを飾り付けてデザートの完成。
ギエーム・コラール氏 (SOSAテクニカルアドバイザー)
スペイン・バルセロナの五つ星ホテル「アーツ」や二つ星レストラン「ラサルテ」などで修業後、SOSAテクニカルアドバイザーに就任。現在は、欧米やアジア各国でデモンストレーションを行いながら、SOSA社製品の魅力を世界中に広めています。
SOSAについて
1967年、スペイン・カタルーニャ地方に設立されたSOSA社は、アルチザンビスケットやアイスクリームの原材料メーカーとして事業をスタート。2000年よりガストロノミーやペストリー向けの原材料ビジネスに参入し、現在では同社の新機能素材が世界各地で使用されている。
⇒ SOSA社取扱い商品一覧

【過去のSOSA講習会】
SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2010
SOSA DEMONSTRATION in Tokyo 2011 "Summer Cocktail"
SOSAアシェットデセール講習会2012
SOSAデモンストレーション2013
SOSAテクスチャーシリーズ講習会2014
SOSA商品提案会2015
 
過去に開催された、講習会や教室の一覧ページ